阿蘇の風景が大好きです。阿蘇の雄大で独特な風景は、阿蘇本来の自然の中に、野焼きで作られた草原、桜や杉のように人が植えた木々、水田、道路、街並などの人工物が、多すぎず、ほどよく溶け込んで作り出されていると思います。阿蘇には沢山の観光スポット・展望所があり、多くの観光客が風景を楽しんでいます。しかし、観光客が訪れる時間帯では阿蘇に流れている時間の中のほんの一部の表情しか見せていないと思います。そこで、時間帯や季節を変え、撮影方法を工夫することで、阿蘇の時間の中にある観光客が見逃した様々な表情を切り取ることが出来ないかと考えました。撮影の時間帯として阿蘇が最も様々な表情や美しさを見せる朝陽が登る前後のマジックアワーや、天の川やオリオン座、流星などの星空と阿蘇の雲海や街明かり、桜などの地上風景との組合せに適した季節や場所を選び、撮影しました。皆様に阿蘇の時間を楽しんでいただければ幸甚に思います。
(前田 浩明)
熊本生まれの長崎育ち、熊本在住。大学で写真サークル入部をきっかけに写真を始め、白黒写真のフィルム現像から焼き付けが楽しくて、卒業後も自宅の風呂場を暗室代わりに焼き付けを行っていました。カメラがデジタル化されてからはパソコンを暗室代わりに、会社勤めの傍ら撮影活動を続けてきた典型的な週末フォトグラファーで、近場の阿蘇は絶好のターゲットです。2018年のふたご座流星群撮影をきっかけに星景写真にのめり込み、現在も、快晴の夜には阿蘇エリアをうろついて撮影しています。